インタビュー:逆商談から実装・サービス導入までを最速で

2024.06.06

2023逆商談ブース参加者インタビュー

イオン琉球株式会社が、今年(2024年)のゴールデンウィークにサービスを導入すべく、リゾテックエキスポ2023逆商談ブースに参加し、実現させた事例を紹介します。

イオン琉球株式会社は、「地域にねざし、信頼される店づくりを目指し、」沖縄県内でスーパーを展開しています。リゾテックエキスポ2023の逆商談ブースに参加したきっかけと、その後の展開を追ってみました。すると、課題を解決するまでのみちのりと商談を成功させるコツが見えてきました。

お話をうかがったのは、以下のおふたり。
・イオン琉球株式会社 倉田 朋樹さん
・BRクラウド株式会社 大城 純一さん

逆商談ブースに参加したきっかけを教えてください。

イオン琉球 倉田(以下、倉田):店舗アンケートから子供連れの時に心配・不便さを感じていることがわかった。デジタルを使ってそれを解決できないか、また新たな買い物の体験価値を生み出せないかと思っていた。我々は小売業なのでデジタルについてそこまで詳しくなく、また小売業でもこのような事例はなかったため、以前リゾテックエキスポに参加したこともあり、メルマガで逆商談ブースのことを知り参加した。

参加してみていかがでしたか?

倉田:ISCOのストラテジスト玉城さんに相談当日にサポートいただいた。当日は、玉城さんがアイスブレイクをしてくれて、話しやすい環境を作ってくれた。一緒にやっていくパートナを探す気持ちで商談をしており、何社かお話を聞いたが、わたしたちは具体的な課題を提出していたので、具体的な提案を求めていた。

実際にサービスを導入するまではどのような流れで進めたのでしょうか?

倉田:実は、当日マッチする企業とはお話をすることができず、玉城さんがそのあとも継続的にフォローアップしてくれ、BRクラウドの大城さんをつないでくれて、大城さんの人柄に惹かれた。早速、設計案や資料も作ってくれたので「やってみましょう」と進め始めた。

イオン琉球さんのやりたいことを聞いて、どう思いましたか?

BRクラウド 大城(以下、大城):類似サービスの経験があり、組み合わせて実装できると思った。ハード面は初めて対応するので苦労した。1ヶ月以上かけて箱を探し、業者さんと東京で話して、開始3日前になんとか店舗に到着した。
倉田:他の企業さんもソフト面は対応できるけどハード面の対応に難色を示していたが、大城さんは前向きに探してくれた。子供向けのサービスなので、ゴールデンウィーク前にリリースするために急ピッチで進めた。

こだわったこと・工夫されていることはありますか?

倉田:AIでクイズを作る・画像を生成するなど、そういった部分でもデジタルを活用している。クイズの内容も、アニメ・漫画、食育、学校でも習うもの、沖縄もしくは地域にまつわるもので、コミュニティとつながることで答えられるものにした。英語も、ChatGPTで変換している。デジタルに親しんでもらう企画でもある。
時季に関するテーマを考え、クイズを配置する場所なども店舗全体を回れるように店舗側も工夫を凝らしている。いま(5月)はBBQに必要な食材のコーナーに配置している。それを考えながら探すのも楽しいだろう。
ありがたいことに、実際に使用してほしい小学生にヒアリングを行うことができ、おかげでより使ってもらえるサービスになったと考える。時間をかけて回ってもらうためにクイズ形式にして、かつ少し難しいクイズを盛り込むことで誰かに相談するというコミュニティーとつながるきっかけをつくることを考えた。クイズは毎週変わるので、今後は周知にも力を入れて、できるだけ多くの方に使っていただき、改善を繰り返していきたい。

導入にあたって苦労したところはありますか?

大城:APIから信号を送り箱を解錠する仕組みは初めてだったので、接続してみてちゃんと開くのか、不安はあった。
倉田:APIにインターネットを常時接続しておかないといけないが、店舗のWi-Fiが定期的に切れることが4日前にわかり、今あるリソースで試行錯誤しながら、なんとか実施できている。また、ハードの設計が大変だった。小学生3・4年生くらいの子供が開きやすい高さや、読み取り機の位置もこだわった。

今後の展開をお聞かせください。

倉田:現在は1店舗内で実施しているが、今後みなさまの声も聞きながら改善していき、他店舗をめぐるスタンプラリーなど、このサービスを発展させていきたい。

イオン琉球株式会社公式サイト
https://www.aeon-ryukyu.jp/

プレスリリース「スマホでクイズを楽しみながらお買い物 マックスバリュ読谷店に親子で楽しむ新“お買い物体験サービス”を導入(2024.5.03)」
https://www.aeon-ryukyu.jp/cms/wp-content/uploads/2024/05/32e57c0ddc03de130649d3df2647672b.pdf

 

編集後記

今回、サービス導入までの貴重な経験をお話しいただいたおふたりに心から感謝いたします。
イオン琉球さんの取り組みをお聞きできたことで、逆商談ブースの運営にも具体的な支援が必要なことがわかりました。私たちリゾテックエキスポ事務局もその課題を解決すべく、事務局の運営をになうISCO(一般財団法人沖縄ITイノベーション戦略センター)のマネージャークラスと連携して、今回の運営には力を入れて動いております。

逆商談ブースはリゾテックエキスポに出展するIT企業から提案を受けることができる場です。1社あたり15分という短い時間ではありますが、その分多くの企業さんとお話しすることができます。

県内はもちろん県外の企業さんも多く出展(昨年実績159社)しますので、「課題はなにか」「どのような形・あり方が理想的か(ゴール)」「いつまでに解決する必要があるのか」をふまえて、逆商談にのぞむことで、より具体的な提案を受けることができるでしょう。

今年は、事前にISCOのマネージャークラスにご相談する機会を設けますので、お気軽に相談ください。

また、提案する側も「相手の課題に対してできる最善の提案は何か」「自分たちの強みは何か」「困難にぶつかった際はどう対応するか」を事前に持っておくことで、成立の確度も上がることでしょう。

今年の逆商談ブースもご期待ください!