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【沖縄県内産業からみたDX】倉庫不足、人手不足といった物流の課題をDXで解決 – 琉球通運株式会社

 新型コロナウイルスで大きく変化した業種のひとつが「物流」。
ライフラインを支える基幹産業のひとつとして、ニューノーマルの時代に合わせて変化していく物流業界の現在について、琉球通運株式会社の新垣直人代表取締役会長に聞いた。

琉球通運株式会社 新垣直人代表取締役会長

 1989年、日本コンベンションサービスに入社、MICE分野を約30年経験してきました。現在の物流の業界は5年ほどですが、テクニカルに関する要望や仕組みそのものはMICE分野の業務と変わらないと感じています。
物流はライフラインを支える基幹産業です。日本の物流は運送屋のイメージを逸脱しきれていないところがありますが、A地点からB地点まで物品を運ぶだけでなく、MICE特有の地方創生やDMOといった手法をロジスティックスに掛け合わせてうまくブレンドする必要があります。
つまり、製品の保管から輸送、包装、流通加工などの流れを企業が一括で管理して、製品が消費者に届くまでの流れに無駄がでないようにすること。
DXといえるかはわかりませんが、今はその価値観を共有してイノベーションを起こそうとしているところです。

弊社では2021年4月よりDX推進室を立ち上げました。一言でDXといっても、あまりに範囲が広く、一朝一夕で浸透させるのは難しいものです。システムを作ればそれでいいというわけではなく、まずはその意味をしっかりと理解することが重要です。そのため、第一段階としてイノベーションから浸透させていくわけです。

新型コロナウイルスの影響により、物流業界にも大きな変化が訪れています。ITをはじめとしたスタートアップ企業が物流に乗り出しているため、地域の企業としても競争力を高める必要が出てきました。物流に限らず、沖縄の企業は独自のネットワークや顧客に支えられてきた面があります。しかし、これからの時代はより利便性の高いサービスや付加価値がなければ生き残っていけません。何十年も続いてきた価値観を変える必要があるのです。

沖縄の物流が抱える課題としてまずは人手不足、そして倉庫不足があります。
たとえば、県外の大手企業が沖縄で物を売りたいという場合、台風などの自然災害が起きることを想定し、補完する必要があります。しかし商品を保管する倉庫を探そうにも沖縄ではなかなか土地がありません。倉庫を確保できたとしても、管理できる人材が必要です。
需要に対してスペースと人材が不足しているため、DXによってその課題を解決することができれば、逆に大きなビジネスチャンスになります。倉庫の温度管理や在庫管理を機械化できれば、人材不足の状況を回避でき、安定した物流を提供することができます。

弊社では兼ねてからグローバル推進にも力を入れており、国際物流担当者が13名も在籍しています。海外のニーズは今後も増えていくことが予想されており、アジア圏における沖縄の地理的優位性を活かしてさらに広くPRしていきたいと考えています。
また、総合物流会社としてもかなり広い2万5千坪ほどの倉庫を有しており、ITを活用してオペレーションを数値化することが目標のひとつです。
そのためには管理するための人材を育てることが急務です。アマゾンジャパンに勤務し、日本でアマゾンの倉庫を立ち上げた経験を持つ方を顧問としてお招きし、最新のトレンド、DXの考え方、在庫の持ち方やトランスファーの手法といった専門的知識を社内に広げています。

そして、危機管理においてもテクノロジーの力は有効です。
お客様の大切な商品と個人情報をお預かりしている以上、その取扱いには細心の注意が必要です。弊社ではBCP(Business Continuity Plan)部署も立ち上げ、緊急事態時の被害を最小限に抑えるための対策をまとめています。
以前グループ会社で事故が起きたとき、たまたまドライブレコーダーがついていなかったために問題となったことがありました。倉庫にも赤外線カメラや監視カメラを導入することによって、事故やトラブルを前もって防ぐことができます。

上で述べたすべてのことに於いて、これらを管理・運営するための人材を育てる人材育成が最重要であることはいうまでもありません。
弊社では特に若い世代の活性化をテーマに掲げており、通常の部署とは別に、「次世代運営委員会」を立ち上げています。現在、30代以下の社員20名ほどが参加し、「提言」、「交流」、「育成」をコンセプトとして、活発に意見交換したりプロジェクトを立ち上げたりと活動しています。

社内だけでなく、県外のグループ会社や関連会社、異なる業種とも連携しながらDX化を進めていく必要があります。
沖縄では観光客がレンタカーも多く使われますが、ハイシーズンには道路が渋滞し、物流にも遅れが出ることがあります。この様な状況を回避するためには、まちづくりとして沖縄県全体が取り組んでいかなければなりません。
沖縄ならではのホスピタリティを活かしながら、テクノロジーの力を取り入れてより便利に充実した街に進化させていくことで、沖縄県の発展につなげられるはずです。
我々物流業界も変化に対応していかなければなりません。そのためには、まず、我々自身が仕事に対してワクワクできるってことです。

世代や業種に関わらず、それぞれが「語れる仕事」をすることで、進化の一端を担っていきたいと考えています。