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【沖縄県内産業からみたDX】ポストコロナの時代に新たな生存戦略を掲げるリゾートホテル業界 – かりゆしインターナショナル

 県内に9か所のホテルを経営し、グループ企業も含めると約20社(ホテル)を運営、これまでにも多くの改革にいち早く取り組んできたかりゆしホテルズの新たな改革の柱となるのがDX。株式会社かりゆし 玉城智司代表取締役社長(以下、玉城氏)、株式会社かりゆしインターナショナル 南風原昌宏専務取締役(以下、南風原氏)に話をお聞きしました。

左から玉城代表取締役社長、南風原専務取締役

玉城氏:かりゆしグループだけでなく、また沖縄県だけでなく、観光業界全体がDXを進めていく必要があるだろうと考えています。我々としても2021年のテーマのひとつに掲げ、昨年から準備を進めてきました。お客様の利便性を高め、人的コストを下げることでパフォーマンスの質を上げることが主な目的です。
社会の変化に合わせてお客様のニーズも変化します。たとえば、ホテルスタッフとの会話を楽しみながら現地の魅力を発見したいという方もいれば、なるべくスムーズに手続きをすませてスマホやパソコンで情報を入手したいという方もいます。旅の楽しみ方は多様化しており、なるべく多くのお客様にご満足いただくためには、ホテル側も多くの選択肢を用意する必要があるのです。

南風原氏:当ホテルには様々なカテゴリーがあり、26室のホテルもあれば516室のホテルもあります。小規模なホテルでは対面式でもじゅうぶんなサービスができますが、宿泊客が1日に1000人を超えるとそうもいきません。まさにDXが必要となるところです。

玉城氏:対面の機会を減らすことは怠慢ではありません。直接ふれあうことばかりがサービスではなくなっているということです。スマホやパソコンで部屋を予約して、フロントでのチェックインもなるべく簡素にし、必要なインフォメーションはメールやQRコードで受け取れるようになることを便利でよいという方のためには、そういったシステムも必要ということです。

南風原氏:フロント業務以外にも課題はいくつもあります。たとえば、現在9つあるホテルのリザベーションセンターをひとつに集約しており、すべてのホテルの電話予約を受けられるようになっています。しかし、電話でなくオンライン予約となると、複数のホテルを予約する際には一度に予約できずホテルの数だけ分けて送信する手間がかかってしまいます。7日間の旅行の前半3日をAホテルに、後半4日をBホテルに宿泊される場合、一度の予約で7日間分一度に送信できず、2度に分けて予約しなければならないのです。この手間をなくせないかということが課題のひとつです。沖縄はロングステイも多く、バリエーションあるスケジュールを組みたいというニーズもあるのですが、その声にじゅうぶん応えられていないというのが現状です。また、オプショナルサービスは各ホテル公式サイトからしか予約できないため、宿泊、レンタカー、アクティビティといったサービスがワンストップで実現できないか試行錯誤しているところです。

めまぐるしく変化する社会 進化できなければ生き残れない

玉城氏:観光だけでなくどの業界でも同じことですが、集客できなければ生き残っていけません。集客するためにはどうすべきか。DXももちろんですが、様々なアイデアを出して進化していく必要があります。そのためには柔軟性と遊び心も必要です。DXはアイデアの幅を広げ、選択肢を増やしてくれるものだと考えています。

南風原氏:アイデアを生み出すためにも、現在は多くの時間と手間をかけている作業をオートメーション化していくことが重要になります。たとえば、修学旅行など団体のお客様のカルテをつくる際に、用紙にひとつひとつペンで氏名を記入していく作業をデータ入力し、顧客管理をクラウド化することで、急な変更にも即時対応でき、またサービス開発や接客など人間にしかできない業務により注力できます。何十年も紙とペンに頼ってきたものを急にすべて変えてしまうのは難しいですし、抵抗感もあるでしょうが、進化のためにはしかたないことだと考えます。

玉城氏:弊社ではこれまでにも数々の新しい取り組みを進めてきました。そのひとつがOTAです。OTAは旅行会社・航空会社に依存する古い体制を捨て、大きな業界変革をもたらしました。今回もまた新しい挑戦が必要な時期だと感じています。しかし、理想はあれども、ITの専門的な知識を持った人材が不足していることもあり、思ったほど早くは進んでいないという現状があります。

南風原氏:2021年9月からは国による人材支援育成支援の一環で最新の事例を見ながら学ぶ機会もありますので、ITに関する知識を深めながら、どのように進めていくべきかあらためて考えていこうというところです。沖縄県ホテル協会が中心となり、約半年ほどの研修で各企業の社員にITの知識を学ばせます。彼らが成長してそれぞれの現場に戻ってきてフィードバックしていければ、よりDX化が進むのではないかと期待しています。